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春・夏・秋・冬

 憲法を改正(第9条の放棄)して集団的自衛権を行使し、将来は核武装も検討する−安倍首相がこれまでに公言してきた政治的信念を集約するとこうなる。「戦う国日本」の宣言、被侵略民族から見れば軍国主義日本の復活宣言である

▼しかし、こうした日本像については、なにも安倍首相だけが突出して口にしていることではない。右翼政治家らは、かつての侵略戦争を「米英の圧力から日本を守るために行った自衛の戦争」だと、陳腐かつ時代錯誤、独善そのものの論理を一貫して主張してきた。中曽根元首相は核武装論も展開した

▼侵略戦争に参加した老人たちの「郷愁に駆られた」たわ言と片付けられたら良いのだが、安倍首相は50代前半、安倍首相よりも踏み込んだ過激な発言をしている中川政調会長も同世代である。当然学ぶべき歴史教育を軽視し、受験競争に勝つだけの教育を行ってきた結果か、あるいはDNAのなせる業か、思考に発展性がまったくない

▼主権行使としての朝鮮のミサイル発射訓練、そして核実験は、元来の願望を早期に実現させようと急ぐ彼らの格好の口実、材料にされてしまった

▼なぜこうした勢力に力を貸すような行動を朝鮮は取るのか、という声が一部にある。実際、日本の軍事大国化を憂慮する人々から直接、非難にも似た指摘を受けたこともある。しかし、前述したように考えてもみて欲しい。日本の意思は今回の騒動以前から明白であり、その意思を着実に行動に移してきたことを。みんながそのことに気づいた時にはすでに手遅れ、逆にそのことを憂慮する。(彦)

[朝鮮新報 2006.10.18]