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春・夏・秋・冬

 「朝鮮の核実験は、核兵器と現存核計画の放棄を公約した9.19共同声明に矛盾しないし、その履行のための積極的な措置となる」。朝鮮外務省スポークスマンは11日の談話でこう述べている。核実験をしながら朝鮮半島の非核化を目指すというのは矛盾しないか? と感じる読者も少なくあるまい

▼9.19共同声明は朝鮮半島非核化のためなすべきことの大枠を決めたものだ。それは何も一方的に朝鮮だけの履行事項を明記したわけではない。朝鮮半島の非核化に責任を持つ米国と南朝鮮の義務事項も明らかにされている。だからこそ、「公約対公約」「行動対行動」の同時行動原則が強調された

▼しかし、実際はどうだったか。共同声明発表直後に米国が金融制裁を実施したことで、「行動対行動」の順番を話し合うこともできない。米国が「核または通常兵器で攻撃したり侵攻する意思がない」(共同声明)としながら、北侵を想定した軍事演習を繰り返していることは、朝鮮側からすれば脅威にさらされていると映る。金融制裁にこだわるのも、結局、これが米国の対朝鮮観を表しているからだ

▼これまでも朝鮮は戦争抑止力、核抑止力については再三強調してきたし、昨年2月には「核兵器を造った」と宣言した。それを実物で証明したのが今回の実験だと外務省スポークスマンは説明する。一方で、米国が敵視政策を放棄すれば核兵器など持つ必要はなくなるのだとも繰り返し表明している

▼自国の核を抑止力として朝鮮半島の非核化を実現する−矛盾しているようだが、これが朝鮮側の主張である。(聖)

[朝鮮新報 2006.10.16]