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春・夏・秋・冬

 早いものでもう10月。5日は在日同胞社会にとっては最も記念すべき日の一つである。というのも、60年前のこの日、東京朝鮮中学校の創立を契機に中等教育を実施するようになったからだ。この日を記念して大阪では盛大な在日同胞中央大祝典が開かれた。21日には東京で中央大会が予定されている

▼日本の植民地から解放された同胞が真っ先に取り組んだのが、朝鮮の言葉と文字、文化、歴史を子どもたちに教えることだった。解放直後の1945年8月中旬には「国語講習所」の形態で、すでに民族教育が始まっている。翌46年4月からは数百カ所にあった「国語講習所」を朝聯初等学院として統合整備。初等教育が開始された。そして、同年10月に中等教育が実施されたのである

▼それから60年。今でも各地に120余ある朝鮮学校で同胞子女たちが学んでいる。異国の地で幼稚園から大学校にいたるまで一貫した体系を整え民族教育を実施しているのは世界でも稀である。しかも60年も続いてきたのだから、それは誇るべきことである

▼その背景には、総聯が民族教育を活動の大きな柱にすえてきたこととともに、子どもたちに母国語や文化、歴史をきちんと学ばせないという父母たちのあくなき情熱がある。とくに財政面でも地域の同胞たちが一口運動などの地道な活動で支えてきている

▼民族教育は「在日朝鮮人運動の生命線」と言われる。その意味は、どんなことがあっても守っていかなければならないということだ。それは何よりも次代を担う子どもたちのためなのである。(聖)

[朝鮮新報 2006.9.29]