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春・夏・秋・冬

 先日の盧大統領訪米時、実務レベルも含めて6者会談再開についてのやりとりがあった。朝鮮側の一方的な復帰という従来の姿勢を崩さない米側と、なんとか米側に譲歩してもらって再開に持ち込みたい南朝鮮側。よく使われる表現だが「同床異夢」。それでも「共同の包括的アプローチ法」を模索していくことで合意した

▼その延長上での動きなのか、最近になって「Sプロジェクト」なるものが構想されていると南朝鮮紙が報じた。大統領府の宋安保政策室長がヒル国務次官補に提案したことから宋室長の頭文字を取って「Sプロジェクト」と名づけられたという

▼その中身はといえば、ブッシュ大統領特使の朝鮮派遣を皮切りに朝鮮が@核凍結→(米、南朝鮮が)軽水炉提供検討など交渉A6者会談復帰宣言→朝米2者対話、南朝鮮のコメ、肥料支援再開B核廃棄約束→南朝鮮が200万kw電力支援、大規模エネルギー支援C「9.19共同声明履行再確認」というもの

▼中身が横並びなのか、数字どおり段階的に進めていくものなのかについてははっきりとしていない。それにしても特使派遣など、米側が朝鮮側のヒル招請案を受け入れておれば、と思わせる項目だ

▼6者会談を、核問題解決の場として活用していこうという姿勢をアピールするには十分だと当事者たちは思っているかもしれない。しかし、朝鮮側からすれば落とし穴が潜んでいる。各項目、すべてが朝鮮側の行動を前提にしていることだ。金融制裁によって「9.19共同声明」を形骸化させたのはブッシュ政権。先に行動すべきは米国なのだ。(彦)

[朝鮮新報 2006.9.27]