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春・夏・秋・冬

 安倍自民党総裁の選出。「戦後生まれの50歳代の総理の誕生」と本人は自画自賛(?)、マスコミもほとんどが横並びの報道である。戦後生まれで50歳代だからといって、天から資質が与えられているわけではない。しかし、今の状況下で自民党総裁はよほどのハプニングでもないかぎり内閣総理大臣に選出される。しょせんは「コップの中の嵐」

▼彼の政治理念は何か、と問うてみた場合、思い浮かんでくるものはない。「美しき国へ」の再生などと、突然、どこからか頂戴してきたような題名の本を出版、アピールしているが、どの時代の誰もが口にしてきたような題目で理念とは程遠い。逆にかつての「栄光の(日本)帝国主義」(外祖父、岸信介元総理の盟友、椎名悦三郎元自民党副総裁)の匂いがぷんぷんとしてくる

▼8月、自民党本部での講演では以下のように吐露したという。「今や日本は(世界で)きわめて大きな存在になっている。ここ一番はしっかりと日本がリーダーシップをとる、そういう外交を展開しなければならない」「(拉致問題は)なんと言われようと(全員が)生きていることを前提に交渉する」「ただの対話は意味がない。対話と圧力の姿勢でこの問題を解決したい」

▼そして19日には、朝鮮の企業などに対して金融制裁を発動した。米国追従、独自性はまったくない

▼強がって見せても「張子の虎」というのがある。強がることだけで政治ができたのは前世紀、それ以前の時代の話だ。いくら何と言い、行動しようと日本当局は過去の罪悪を清算しないかぎり隣人にはなりえない。(彦)

[朝鮮新報 2006.9.22]