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春・夏・秋・冬

 2001年の「9.11事件」から5年が経った。ブッシュ政権は「テロとの戦い」の美名のもと、アフガニスタンからイラクへ英国などと「有志連合」を構成して軍事侵略を行ったが、第2(第3?)の「ベトナム化」していることは誰の目にも明らかだ

▼クリントン政権時代の北朝鮮担当官だったキノネス博士は先日、都内で開かれた講演で次のような内容のことを語ったという。「北朝鮮は『弱い政府』や『(内部)分裂している政府』とは決して交渉はしない。ブッシュ政権は分裂し続けている」。また「米国は北朝鮮に対してこれまでも経済制裁を科してきたが、まったく効き目はなかった」とも

▼ブッシュ政権が「分裂」していることの象徴的事実として、昨年の6者会談「9.19共同声明」の存在を挙げることができる。「言葉対言葉」「行動対行動」原則に基づく朝米核問題解決のプロセスを形成したが、その時点で「ネオコン」たちは朝鮮に対する金融制裁を事実上、実施していた。対話の裏で制裁実施なのだから、成る物もならないのは当然。6者会談米国代表のヒル国務次官補は驚いたらしい

▼共同声明発表直後の、ヒル代表の訪朝プランも「ネオコン」の抵抗に遭って頓挫してしまった。二つの「意志」がせめぎあい「内部分裂」していたのだ

▼国際的な合意が容易に覆される政権を相手にして、重要対話などできようはずもない。口先からは強気な言葉がポンポンと飛び出すブッシュ政権。キノネス流に解釈すると無政策をカバーするための強硬発言という見方も成り立つ。正解かも知れない。(彦)

[朝鮮新報 2006.9.12]