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春・夏・秋・冬

 「日本のメディアはまったく伝えないことだが、当然のように朝鮮の人々にも暮らしがあるということを目の当たりにした」。先ほど祖国を訪れた日本の大学に通う在日同胞学生の感想の一部だ。今年で24回目を数える、留学同に所属する学生たちの祖国訪問団。多感な学生時期、夏休みの半月余りを祖国で過ごした若者たちの感想はとても純粋だった。とりわけ、ミサイル発射訓練に対する「制裁」の一環として日本が「万景峰92」号の往来を規制している中だけに、学生たちの感慨もひとしおだったろう

▼「百聞は一見に如かず」とは、朝鮮を語る際によく使われるたとえだ。というのも、日本のマスコミ報道と、実際に現地を訪れて見るのとでは、そのギャップがあまりにも大きいからだ

▼もちろん、人々の暮らしを通して経済的苦しさを垣間見ることも少なくない。日本に比べればお世辞にも発展しているとは言えない。だが、朝鮮の人々は人情味にあふれている。そして、何よりも、冒頭の感想のように、「朝鮮の人々にも暮らしがある」ことを実感する

▼それは長く付き合えば付き合うほどわかってくる。日本でも初対面の人にいきなり本音をさらけ出す人はあまりいないだろう。何度も付き合っていくうちに向こうも打ち解け、本音で語ってくれるようになる。簡単なことではないが、素直な人たちが多いので、打ち解ければとことん親しくなれる

▼そのために大切なのはお互いに信頼し合うこと。しかし、今の朝・日関係を見ると、その難しさを感じざるをえない。(聖)

[朝鮮新報 2006.9.8]