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春・夏・秋・冬

 最近は精神衛生上良くないので、日本のテレビは極力見ないようにしている。その代わりわが家の茶の間の主役はKNTVやKBSなどの南の放送だ。もっぱら朝鮮語の勉強にと見始めたが、ドラマやグルメ番組、芸能通信などを見ていると、むこうの世相がよくわかる。とくにニュース番組やドキュメンタリーなどはその傾向が顕著である

▼先日、KBSのドキュメンタリー番組が興味深い内容を扱っていた。94年枠組み合意の際に直接交渉にあたった米政府の元高官らの証言を通じて、朝鮮半島の核問題を解決するには何が必要なのかを探ったもの。本国で1年ほど前に放送されたものらしく、昨年7月の6者会談再開以前の内容となっていたが、逆に今の状況と合致するようでおもしろかった

▼そこで元高官らが言っていたことは、朝鮮が求めているのは結局「94年合意」内容だということ。確かに朝米間に横たわる問題を解決していくには、現段階では「94年合意」以上のものは出てこない。だからこそ、昨年の9.19共同声明の内容はそれを踏襲したものとなった。あれこれ回り道をしたあげく、結局同じ場所にたどりついたというわけだ

▼朝鮮外務省スポークスマンは最近の談話で、9.19合意が履行されれば朝鮮の得るものがより多いとしながら、6者会談を行いたいとの意思を示した。これが本音であろう。問題は、朝鮮に6者会談に復帰させる名目を与えていないという点だ

▼「9.19」から間もなく1年。このままこう着状態が続くのか、それとも打開策を見出せるのか。(聖)

[朝鮮新報 2006.8.31]