|
米軍は21日から南朝鮮軍と「ウルチ・フォーカス・レンズ」合同軍事演習を開始した。6月の米海軍演習「バリアント・シールド(勇敢な盾)」、そして米海軍と共に日本など8カ国が参加した「リムパック06」に続く朝鮮を標的にした軍事演習である ▼コンピュータを駆使した図上演習だが、「世界で最も完成された対朝鮮攻撃シナリオとの評価を受けている『作戦計画5027』」(朝鮮日報8月18日付)の実施において、米軍部隊間、米軍と南朝鮮軍間の指揮系統などに混乱が生じないよう習熟させる点に最大の目的がある。停戦協定を完全に反故にする形で、目の前で自国を対象にした戦争演習を行われる朝鮮にとってすれば、国家防衛のための対抗措置を取らざるをえないことは当然である ▼しかし一方で、「毎年恒例の演習ではないか」、と朝鮮の反応を過剰だと指摘する向きがある。当事者の米国や南朝鮮はとくにその点を強調する。確かにこの演習が1975年から続けられてきたことは事実だ。が、ソ米冷戦時代の当時と今日を比べると状況は一変している。自衛権の行使に国連安保理で制裁決議が行われるほど、米国を中心にした朝鮮敵視、包囲網作りは露骨化している ▼昨年の同演習では、密かに南朝鮮在留米国人の海外疎開訓練が行われた。国務省、ペンタゴンの専門家たちが直接、指揮し迅速かつ安全に日本などへ避難させた ▼こうした訓練は、朝米衝突寸前にまで至った1994年の核危機の事例が知られている。今年も実施されるというが、米国が臨戦体制にあることがわかる。(彦) [朝鮮新報 2006.8.24] |