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春・夏・秋・冬

 8月15日当日、小泉首相が「靖国参拝」をするのかどうか関心が集まっている。「レイムダック化しているから、外交に与える影響は少ない」などという、何を根拠にした、どこ筋の話なのかもわからないような観測気球があちこちで上げられている。行く前から、お墨付きを与えようという魂胆がみえみえ。本当に始末が悪い

▼敗戦から61年。いまだ侵略の清算すらせずに国連安保理常任理事国のイスを手に入れようと、資金援助というニンジンをぶら下げて運動する一方で、戦争のできる「普通の国」をめざそうと改憲=憲法九条の削除、撤廃論議が公然と政界で行われる昨今、このままいけば徴兵制の復活もただの話ではなくなってしまう

▼そうした状況が遠い将来のことではなく、切迫したこんにちの問題として提起されていることを、この社会の世論はどれほど真剣に受け止めているのだろうかと心配になる

▼今やほとんど報じられなくなっているが、イラクでは航空自衛隊機が米軍の指揮下、作戦飛行に従事している。物資輸送限定だと、ことさらに戦闘活動には参加していないことを強調するが、戦闘地域での物資輸送は後方作戦という立派な軍事活動の一環である

▼広島、長崎の原爆の日に際して、あらためて不戦、核廃絶が誓われた。朝鮮を槍玉に挙げた発言もあったという。ならば、現実にイラク戦争に参加している足元の日本、戦争挑発を繰り返す米国やそれに追従する「有志連合」諸国に反対する全地球規模の不戦、反戦、核廃絶運動の展開をこそ呼びかけるべきではないかと思う。(彦)

[朝鮮新報 2006.8.11]