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春・夏・秋・冬

 水害によって開催が中止になった朝鮮の「アリラン祭」(当初、今月14日から10月中旬まで予定)について、実は水害が本当の理由ではなく、日本政府が取った「万景峰92」号の入港禁止措置によって「日本からの祭典参加者や観光客ら約1万2000人の移動」が困難になったからだという途方もない話が出回っている

▼ミサイル発射を口実に実施した「制裁」が効果を上げているということを言いたいのだろうが、それにしても「1万2000人」という数字、いったい何を元に弾き出したのか、首をひねる。あまりにも無知、うそをつくのならもう少しうまいうそがあると思うのだが

▼今年、「万景峰92」号の運航は19回予定されていた。同号の定員は220人余。同号が正常運航したとして、4200人強にしかならない。瀋陽、北京、ウラジオストック経由などの空路もあるが、わずか2カ月足らずの間に8000人の訪北者を運ぶ事は、連日、満席のチャーター便を出してピストン輸送でもしないかぎり現実ばなれした夢物語だ

▼こうした途方もない数字を一人歩きさせ、したり顔に「制裁効果」を口にする自称評論家や一部マスコミ。それによって事実を知らされない世論はますます誤った認識を持ってしまう。「いけいけドンドン」にしようというのだろう

▼このネタを取り上げている連中の顔ぶれを見ると、決まりきまった反北宣伝に立つ常習者たち。つまりは、無知な公安関係者が適当に作り上げた話に便乗しているのだと思うが、それにしても人の不幸まで飯の種にするとは。(彦)

[朝鮮新報 2006.8.3]