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春・夏・秋・冬

 朝鮮のミサイル発射や自民党総裁選挙絡みのニュースが溢れる中、イラクに派兵されていた陸上自衛隊がまさに「ひっそり」と帰国した。騒がれたくない、いや騒がさせたくないという日本当局の意図の反映か。「人道復興支援活動」という美名下での、「占領地平定作戦」、それはどのように言い訳しようと、指摘し尽くされてきたように戦争、戦闘活動(行為)以外の何物でもなかった

▼それにしても、600人にも達する軍人の帰還を拍子抜けするほどの静けさで迎え(させ)たのはどうしてだろうか。活動の実態やイラクの「真の実情」など、世論に知られたくない事柄が明らかになることを恐れて、淡々とした撤収を実行したのだろうか

▼イラク、それに先立つアフガニスタン侵攻、さらに遡れば湾岸戦争など、常に戦争を主導した米国は徹底した報道管制を布いた。国際社会は、参戦した各国当局者を除いてどういう戦争が行われたのか、まったく知らされないままだ。「新体制」が誕生したはずのイラクでは今も連日、激しい「戦争」が行われている。しかし、それが米軍発表のように「テロ行為」なのか、組織された部隊による反米戦闘行為なのか、判断できない

▼その米国からの要請もあったのか、今回、自衛隊撤収に当たって日本当局は「部隊の安全」を口実に「報道自粛要請」という形での報道管制を布いたという

▼報道自粛とは、マスメディアにとって自殺行為にも等しい。知らせるべきことを知らせないのだから。それ以前に、伝えるべきことが伝えられないことが多すぎる。(彦)

[朝鮮新報 2006.7.29]