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春・夏・秋・冬

 ロシア・サンクトペテルブルクサミット議長総括に、朝鮮のミサイル発射実験に対する国連安保理決議を支持する項目が明記され、「明確な対北メッセージ」(安倍官房長官)になったと日本はまたもしたり顔である。テレビでも一日中取り上げていただけに、安保理決議に続き国際社会は「対朝鮮制裁」一色であると思い込んでしまう

▼議長総括の全文は「世界のエネルギー安全保障」「感染症との闘い」「その他の問題」「国際的安全保障」など5項目からなっている。朝鮮のミサイル問題は、「国際的安全保障」の中で言及されているが、優先順位は「イランの核計画」に次ぐ2番目。「モラトリアム(発射凍結)に関する既存の約束を再確認」し、「既存の核計画放棄」と「無条件で6者会談に復帰」するよう求めた

▼日本は、安保理決議の加盟国が取る措置の部分に「求める」という表現が使われていることについて「『義務を課す』と理解できる」(外務省幹部)と解釈しているが、中ロは「義務など課されていない」と一蹴した

▼今後は、6者会談無条件復帰(米)と2国間直接対話(朝)要求の「すりあわせ」がポイントになっていくだろうが、「万景峰92」号の6カ月入港禁止などの制裁を発動した日本に6者会談再開を求める資格はないだろう

▼南朝鮮政界の一部からもすでに「米ロ中は数千、数万個の長距離ミサイルを持っている」「北に対して(日本が)過剰に対応しているのは問題」「日本の6カ国協議参加資格を再検討すべき」(金元雄議員)という声が出ている。 (彦)

[朝鮮新報 2006.7.20]