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春・夏・秋・冬

 なんとも異様、異常な雰囲気である。これではまるで戦争をしようということでは、と思ってしまう

▼朝鮮は5日、軍事演習の一環としてミサイル発射実験を行った。日本政府はすぐさま「万景峰92」号の入港禁止など、9項目からなる制裁を発表した。メディアは理性を失い、みな横並びになって罵倒、悪態をついている。どれもこれもコラムから社説に至る論調、取り上げるプログラムの内容は変わらない。かつて、「大東亜戦争」なる侵略戦争に踏み切った時も同じような状況だったのだな、と想像する

▼今まで平壌宣言など、どこかに放り投げておいて振り向きもしなかったのに、突如、ミサイル発射訓練は同宣言違反だと一様に声を上げる。では問いたい。日本政府は、メディアは同宣言の履行のために何かをしたのか、と。「北朝鮮人権法」を頂点とする「特定船舶入港禁止法」や「改正外為法」など、朝鮮敵視、制裁を明確にした一連の法律の制定は平壌宣言に沿うものなのか、と

▼さらには、総聯に対する「圧力」だということを明白にして、固定資産税減免措置の見直しを、政府が地方自治体に「通達」なる形で迫り、軽微な事件に公安警察を動員する。戦争前夜の治安維持に名を借りた、かつての日本とどこが違うのか

▼朝・日の最高首脳は二度、会った。国交のない国の最高首脳が会うということ自体異例のことだが、にもかかわらずホットラインすら築けなかったことを考えるべきではないか。そして思う。窓口があるにもかかわらず、なぜ対話をしようとしなかったのか。政治の怠慢だ。(彦)

[朝鮮新報 2006.7.8]