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金英男氏と母、姉との28年ぶりの対面、記者会見の内容などを訪米中の小泉首相はどういう心情で見守ったのだろうかと思った。いや、「盟友」ブッシュ大統領との再会や念願のエルビス・プレスリーの生家訪問でそれどころではなかったか ▼既報のように、米下院には2001年、2005年に続き今回三度目になる日本の「従軍慰安婦」犯罪を問う決議案が上程されている。日本政府に対して、朝鮮、中国人女性など「従軍慰安婦」としての強制連行が「犯罪行為である」ことを認め、その事実を日本の国民に正しく教育するよう促す内容だという。すでに下院国際関係委員会所属議員11人をはじめ民主、共和両党38人の議員が賛同署名し、いつでも本会議に上程できる状態にある ▼しかし日本政府は、小泉首相の訪米を控えて決議案審議を阻止するため下院を舞台に猛烈なロビー活動を展開、その結果一転して、同決議案は廃棄の危機に瀕している ▼中央日報などの現地報道によると、「4月に決議案が下院国際関係委に提出されたあと、日本外務省は大物ロビイストを動員して妨害工作」に乗り出し、「小泉首相の訪米終了後まで決議案上程を延期するよう」持ちかけて成果を上げたという。韓人連合会や賛同議員たちが署名運動などを繰り広げ対抗しているが予断を許さない状況にある ▼小泉首相は退陣するが、日本の過去清算を含む朝・日平壌宣言の履行は端緒が開かれていないも同然だ。過去を清算しようともせず、他者が促せば妨害する。国際社会に映るその姿を日本は正視すべきだ。(彦) [朝鮮新報 2006.7.4] |