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世界中がサッカーW杯で一喜一憂しているかと思ったら、降って沸いたような「テポドン2号」発射騒動。耳目が集中しない(意のままにできる)よう、公安関係の家宅捜査は週末が多いとよく言われる。それに習ってのことか、だから今回の騒動、裏には何かとてつもない企図が隠されているような気がする ▼朝鮮に「テポドン」という弾道ミサイルは存在しない。米国などが、1998年8月に朝鮮が打ち上げた人工衛星「光明星1号」の運搬ロケット「白頭山1号」を、弾道ミサイル(「テポドン」)だと勝手に言い張って呼称しているにすぎない。それが一人歩きしているだけなのだ。だから、正確には米国などが作り上げた「テポドン」と呼ぶべきだろう ▼周知のように、ロケットとミサイルは表裏一体の関係にある。液体燃料(前者)なのか、固体燃料なのか(後者)、大気圏突入の角度、軌道などによって区分けされるが、本質的には敵対する国から見ればロケットはミサイルになり、友好国からすればミサイルはロケットになる ▼日本は大型のH2ロケットを所有しているが、米国はミサイルだとは言わない。日本は何本かの指に入る忠実な同盟国だからだ。逆に朝鮮からすれば、侵略の過去を清算していない日本のH2ロケットは平和と安全を脅かすミサイルでしかない ▼人工衛星の発射、保有は宇宙条約によって認められた主権国家の権利である。日本に認められて朝鮮には認められないという質のものではない。それが互いにとって脅威とならないためには、朝・日平壌宣言の履行が急務だ。(彦) [朝鮮新報 2006.6.24] |