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北南列車試運転が突然中断され、一時は開催が心配された6.15民族統一大祝典だったが、17日滞りなく終了した。民主化運動の「聖地」光州での開催は、それ自体に意味があった。光州民衆抗争当時、内乱罪で死刑判決を受けた金大中前大統領が開幕式の壇上で演説した姿に、あらためて時代の移り変わりを実感した人も少なくないだろう ▼開幕当日はあいにくの暴風雨。しかし、北側民間代表団の一人が語った「この雨は、やっと来た私たちを見て光州抗争犠牲者たちが流した涙だ」のひと言は、光州で行われた祝典の意義を言い表していたようだ。昨年10月、滞在先の平壌でお産した女性もその子(「統一童」と呼ばれる)をともなって参加。北の記者団から取材攻勢に合っていた。3泊4日の短い期間ではあったが、今年もさまざまなエピソードが生まれた ▼そんな中でも目についたのは、北の教育関係者が初めて南の中学校の授業を参観したこと。朝鮮半島全土では12〜17日を共同教育週間と定め北南共同授業を行っている。光州・武珍中学校もその一つで、統一大祝典に参加した民間代表団のうち一部の教育関係者が訪れた ▼はじめて間近に接する北の先生に、緊張しながらも興味津々な様子の子どもたち。「北の生徒とも一緒に勉強したい。表現がちょっと違うだけで、似ているところは多い」と、早くも北南生徒の共同授業に思いを馳せていた ▼一部マスコミの中には、北南関係は冷めつつあるとの論調もある。もちろん政治はいろいろある。だが、少なくとも人々の思いにもう後戻りはあるまい。(聖) [朝鮮新報 2006.6.17] |