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今月の通常国会終了後、ポスト小泉争奪戦が本格化するとの見方が圧倒的だ。在日同胞にとっては、朝・日平壌宣言が維持されていくのかどうか、最大の関心事になる ▼7日、権浩雄北南閣僚級会談北側代表団長、張在彦朝鮮赤十字会委員長がそれぞれ、南朝鮮側が提起していた「キム・ヨンナム氏の問題」について同氏が北側にいることを確認し、金剛山での離散家族、親せき特別再会の際、母親との再会を実現させると発表した。キム氏は、日本と南朝鮮当局がDNA鑑定をした結果、拉致被害者横田めぐみさんの夫である可能性が高いと発表された人物だ ▼拉致問題を政治的に悪用し、日本の一部勢力が平壌宣言の履行を妨げてきたことは今さら指摘するまでもない。さらに拉致問題の解決と関連して不可解なのは、被害者たちが帰国した当時、日本政府当局が彼らに対して行ったといわれる事情聴取の内容が不問に付されていることである。事情聴取は十数時間にも及んだといわれており、ぼう大な情報、資料が得られたはずだ ▼とすれば、素人考えでも、今や極度に「政治問題化」されている「横田めぐみさん死亡有無」の項目など当然、最優先的に入っていただろうと思う ▼朝鮮外務省は13日付スポークスマン談話を通じて、日本当局に「(拉致事件の)事実全貌を拉致被害者家族、親せきたちにあるがまま、正確に伝えるべきだ」と指摘する一方で、一般の人々が「疑問を抱くような世論操作を止めるよう」促した。何を意味しているのか、事実を知る日本当局者はギクッとしているのではないか。(彦) [朝鮮新報 2006.6.15] |