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春・夏・秋・冬

 核兵器廃絶を目指す米国のNGO「核兵器解体基金」が、ロシアの核ミサイル1基を約10万ドル(約1100万円)で買い取り、廃棄することでロシアの原子力庁と合意したという。解体され廃材となった金属はブレスレットやジーンズに生まれ変わる。収入は新たな核廃棄のために使われるそうだ。このような試みは史上初めてという

▼すばらしいことではないか。もちろん、これが即時に世界中の核兵器全廃につながるわけではないが、核のない平和な世界で暮らすことを願う市民の思いは十分に伝わってくる。廃材で作られるジーンズやブレスレットをぜひ身につけたいものだ。それによって自分も核兵器廃絶の思いを共有できる気がする

▼本紙で連載中の「告発〜朝鮮の被爆者〜」には、広島、長崎で被爆し朝鮮に帰国後も後遺症で悩む3人の証言者が登場した。彼らこそ核兵器の恐ろしさを広く訴えられる人たちだ。植民地時代に日本に連れてこられ、そこで被爆したあげく、祖国に帰ったあとは何の補償も手当ても日本から受けられない人たち。朝鮮にはそんな被爆者が、死亡した人も含め1953人確認されているという。そのうち生存者は900人ほどだ

▼証言者たちは数十年間、被爆者であることを隠し通してきたという。その事が知れれば、子どもの結婚にひびくと思ったからだ。子どもの中には若くして死んだ人も少なくない。「被爆2世」である。孫も体が弱いとなると、「被爆3世」も存在することになる

▼この問題は早急に解決されるべきだ。被爆者に残された時間はわずかしかない。(聖)

[朝鮮新報 2006.5.24]