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春・夏・秋・冬

 先週、都内で開かれた社協公開セミナー「東アジアから見た日本」。歴史わい曲と侵略の正当化、米軍と自衛隊の「統合化」など日本の現状がアジアの人たちの目にどう映っているのか、「朝鮮」「中国」「日本」からの報告に続いて参加者たちが熱心な論議を行った

▼その中で記憶に残ったのが、「朝鮮」「中国」の報告者による日本のマスコミに対する指摘である。事実を伝える能力もないほどに水準が低下し、加えて事実すらも正確に伝えられない(むろんそこには政治的意図が働いているのだろうが)との手厳しい批判があった

▼同感だ。例えば多々指摘してきたように「拉致問題」と関連した日本当局の「対話と圧力」路線に異議を唱えようとするマスコミは、良識ある一部の人たちを除き存在しない。みな、右に倣えである。朝鮮半島分断の根本原因を作った不法な植民地支配、その過去をいまだに清算していない自国の責任を追及しようとする動きも少ない。正式な朝鮮の呼称も知らず、むろんそうした過去の歴史認識も希薄である

▼こうして見てくると、無知である分、同一主張をし右に倣うのが安全策なのだろう。それで日本の未来はあるのか、後代に正しい歴史を伝えていくことができるのかと問題設定した場合、明確な返答は返ってこない

▼ある大手紙は先日社説で、独島の「領有権」でぶつかり合う現状には目をつぶり棚上げしたまま「拉致問題で日韓共同歩調を」と訴えていた。支離滅裂。これがすべてではないだろうが、それにしてもマスコミの惨状には目を覆うばかりだ。(彦)

[朝鮮新報 2006.5.23]