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午前10時20分から、およそ1時間の出来事だった。60年目にして成し遂げられた歴史的対面と会談。まさに歴史が動いたことを印象づけたが、それはあっけないほど短い時間だった。歴史が変わる時はこんなものかもしれない。「対立と反目は長かったが、氷解には長い時間はかからなかった」(連合ニュース)と伝えるマスコミもあった。確かなのは、この流れがもう逆戻りしないだろうということだ ▼「よくいらっしゃいました」「こんなに温かく出迎えてくれて感謝します」。正面玄関で出迎えた総聯中央の徐萬述議長とウリマルであいさつを交わす民団中央の河丙ト団長。しかし、その後は200人からなる内外の報道陣に囲まれ、2人の声はかき消されてしまった。しかし、手をつなぎあい終始にこやかな表情だった ▼応接室での会談冒頭、河団長が「この日が来ることを長い間夢見てきた。涙が先に出てしまう」と会話の口火を切ると、徐議長は「私たちも同じ心情」だと応じた。「新しい世代のためにやったこと」「後世に残すようにしよう」。双方の幹部から出てきた言葉が印象的だった ▼今後は共同声明にあるとおり、同胞の志向に沿って仲むつまじく豊かな在日同胞社会を築いていくために、できることから一つ一つ実践に移していくことになるだろう。同時に、祖国の統一と繁栄に貢献していくことにもなる ▼当然のことではあるが、今回の歴史的和解が実現したのは、「6.15時代」がもたらした生活力≠フ一つといえる。この日、金大中前大統領の訪北日程が合意したのは歴史的偶然か。(聖) [朝鮮新報 2006.5.20] |