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5月の連休直前、3年余りの論議のすえに日米間でとんでもない合意が行われた。2014年を目標とした在日米軍再配置計画を確定したのだ。在日米軍の再配置といえば聞こえはよいが、実体はそんなものではない。正確には、米軍と自衛隊統合軍作りのロードマップの確定である ▼地球規模の軍事行動に自衛隊を組み込む事ができた米国は手放しの喜びようである。合意後の4日、アトランタで講演したラムズフェルド国防長官の「歴史的な合意だ」という発言からその事が窺い知れる。それに反して、米国の戦争に自動的に参戦していく事になる日本の世論のなんと静かな(?)事か ▼今後、合意に基づいて在沖縄米軍基地で陸上自衛隊が訓練をし(今年夏)、千歳、三沢、小松など航空自衛隊基地に米軍機が移転、使用(07年4月以降)、神奈川のキャンプ座間に米陸軍第一軍団司令部を母体にした米陸軍の新司令部が創設される(08年9月まで)。そして航空自衛隊総司令部が横田基地に(11年3月まで)、陸上自衛隊中央司令部が座間に移転(13年3月まで)、日米軍の統合作業は完了する ▼第一軍団は第二次大戦後、日本占領軍として駐屯、朝鮮戦争では釜山に司令部を置いて主力として半島全体を蹂躙した。同軍団の活動経緯からしても、座間が対朝鮮侵攻作戦の拠点になる事は多言を要さない ▼戦争を目的とした改編作業の論拠を求めていくと、日米安保条約の「極東条項」に行き着く。「日本防衛」と世界各地での戦争遂行、まったく相容れない事だが、「対話と圧力」政策の素顔がのぞいている。(彦) [朝鮮新報 2006.5.11] |