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春・夏・秋・冬

 米政府のダブルスタンダードに非難が高まっている。核の話ではない。人権の話である。最近、人権問題を掲げて朝鮮に対する攻撃を強めているブッシュ政権。アムネスティーインターナショナルはしかし、テロとの戦争を口実に米政府が犯した不法行為を批判する報告書を発表した。昨年に続くもので、ほぼ同じ内容だ。その一部を拾ってみよう

▼「米中央情報部(CIA)はテロ容疑者と目される人を不法に拉致または逮捕し、正当な裁判や手続きも経ずに世界各地の拘禁施設に移送している。これは尋問方法として秘密裏に拷問などをするためだ」「アムネスティーが面接した被害者は全員拷問と虐待を受けたと述べた。手や棒で殴るのは普通。一日中立たせたり、逆さ吊りにして脚を殴ったり、食事を与えず眠らせないなどの拷問を加えた」

▼加害者側の証言も掲載されている。「爪をはがしたところ、すぐに陳述を始めた」。CIA対テロセンター責任者を経験した人物が雑誌に語った内容だ。イラクやシリアには電気拷問や水拷問を専門とする技術者も少なくないといった証言もある

▼イラクのアブグレイブやキューバのグアンタナモ収容所での虐待行為については、これまでも何度も指摘されてきた。欧州にそうした施設があるとの報道もあった。アムネスティーの報告書はそのことにあらためて警鐘を鳴らしたものといえる

▼米政府は6人の「脱北者」を初めて難民として受け入れた。「人権」を盾に朝鮮への圧力を強化するシグナルととれる。しかし、まずは足元から見るべきだ。(聖)

[朝鮮新報 2006.5.9]