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今日本国会には、「排外主義のさらなる扇動」としか映らない「教育基本法改正案」をはじめとして、与党が「重要」だと認識している幾つかの法案が提出されている。その一つに、昨秋の特別国会で継続審議になった「共謀罪法案」がある ▼同法案は「組織犯罪防止」という美名の下、提出されたものだが内容は程遠い。何よりもその趣旨にも関わらず、「組織犯罪防止」という文言が明記されていないのだ。だから恣意的に捜査当局が団体、個人を取り締まる事が可能になる。いやそうした取り締りが日常茶飯事になる危険性をはらんでいる ▼日本の市民グループなどがウェブサイトで紹介している対象例を見ると「近所でマンション建設反対のために座り込みの相談をすれば『威力業務妨害』共謀罪の疑い」「会社の税金を軽くする方法はないかと相談すれば『脱税』共謀罪の疑い」「入会するまで人を帰さずにおこうとサークルで相談すれば『逮捕、監禁』共謀罪の疑い」等など ▼ところで捜査当局は「犯罪の相談」をしたことをどうやって知るのか。法案には自首を促す規定があるが、それだけで「共謀罪」に問うという事は物理的に不可能。そこで指摘されているのが「電話やメール、会話の盗聴、監視」だ ▼前述したように「共謀罪」に該当するのかどうかの判断は、捜査当局や裁判所に委ねられてしまう。気に食わない団体、個人を同法で摘発するなど赤子の手をひねるようなものだ。本音の部分では、いったいどういう団体、個人の取り締まりを狙っているのか。法案の行方を注視していく必要がある。(彦) [朝鮮新報 2006.4.28] |