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春・夏・秋・冬

 17日の朝鮮中央通信は「解放後、祖国統一の熱い思いを胸に大隊とともに入北」し朝鮮戦争に参戦、米軍と戦った「朝鮮人民軍将官」の表武源氏(81歳)が15日に死去したと伝えた。金正日総書記は霊前に花輪を送った

▼南の中央日報なども表氏の死去を取り上げ、「江原道に配備されていた師団隷下の大隊長(少佐)だった1949年、部下を連れて」入北。部下以外にも志を共にする将校らが合流し、その数は「600人に上った」と報じた。入北後は朝鮮人民軍の連隊長、平安北道人民委員会副委員長などを歴任、死去時は中将の肩書だったという

▼共産主義勢力との対決を全面に掲げ世界制覇を夢見た米国の戦略下、朝鮮半島は分断され対決、同族相争う戦争の悲劇まで味あわなければならなかったことは周知の事実だ。その過程で南の各界各層、表氏のような軍人たちもが国の自主統一実現の一念で北に入った

▼しかしその一方で破壊、諜報、拉致工作を目的に90年代初まで米軍管理の陸軍諜報部隊が養成した南の「北派工作員」が侵入を繰り返した。その数は1万3000余人。彼らは秘密保持のために戸籍など身元に関わるいっさいの情報を抹消された

▼金大中、盧武鉉政権下で元工作員たちは名誉回復、補償などを求めて活動を展開し始めた。今なお秘密にされている北南対決下の「過去」の解明につながる動きだ。同時に米軍主導下の対北破壊、諜報、拉致の実態も明らかにされるべきだろう。北だけを標的にした一方通行の「過去」追及は不公正であり、事実究明にはならない。(彦)

[朝鮮新報 2006.4.20]