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米国から約3年ぶりに日本に帰ってきた友人の開口一番は「日本はおかしな国になった」だった ▼「小泉首相の靖国神社参拝によって韓国、中国との外交は麻痺状態。さらに歴史教科書記述の問題もあり最悪だ。根本問題を棚上げにしておいて、横田めぐみさんの夫のDNA鑑定では日韓共同歩調を、と呼びかける。いったいどういう神経なのか」と、「おかしな国になった」と表現した理由の一つを説明した。この問題については日本政府も各紙社説も同じ主張である。ちなみに彼は日本人である ▼「ブッシュの米国は、もっとひどいのでは」との問いには次のような答えが返ってきた。「いや、まだ米国の方が健全だ。巨大な野党、民主党が存在しているから。健全度は日本のそれとは比較にならない」。日本と米国との間を行き来している人間の実感だから、傾聴に値する ▼同席していた南の知人は「日本のマスコミはなぜ、権力に迎合するのだろうか。吟味もせず、自己主張もせず権力のいいなりのように思える。近年、とくにひどいのでは」と舌鋒鋭い。一言では片付けることのできない激しい弾圧にさらされ、永らく、権力の侍女になるよう強いられてきた苦難の歴史を持つマスコミ現場にいる人間の感想だけに、その指摘もまた重い ▼彼はまた「日本政府は、在日コリアンを南北に選別して扱おうとしている。しかし、いくら南だけに友好的に対しようとしても、コリアン全体への民族差別としか映らない事を理解していない」と切り捨てた。日本は、自分の姿を鏡に映して見る必要があろう。(彦) [朝鮮新報 2006.4.14] |