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春・夏・秋・冬

 先週、「横田めぐみさんの夫は韓国人」と一部のマスコミが報道した。中央日報がスクープする形で先行し、それを時事通信が転電、さらに共同も「独自ネタ」として報じた

▼日本政府が2月中旬からこの問題についてDNA鑑定作業を進めてきた事実は、秘密でもなんでもなく公にされてきた。そして3月に入ってから、マスコミ関係者の間では「すでに鑑定は終わっている。発表のタイミングを日本政府は探っているようだ」という話がささやかれてきた。それが中央日報のスクープである

▼奇妙なことだと思う。なぜ日本のマスコミではなく南のマスコミがスクープしたのか、できたのかということだ。そして、その出所がどこなのかをたぐっていくと、これまたおかしなことに中央日報のそれと共同通信のそれは別筋だという。この件の担当部署は警察庁と内閣官房・外務省だけに、彼らがリークしたのか

▼では、どういう効果を狙ったのか。中央日報は「(鑑定結果によって)南北関係に波紋が広がる」と指摘した。構図的には「第2の6.15時代」を迎えてさらに緊密になる交流、協力関係に冷水を浴びせようとした、という説明がわかりやすい。実際、ハンナラ党など守旧勢力は盧政権攻撃の格好の材料だと飛びつくだろう

▼しかし、それだけではない。7日は、金桂寛・外務次官ら朝鮮軍縮平和研究所代表団一行が訪日した日。それと重ねて、拉致問題がいまだに「最大の懸案」であることをアピールしようとしたとも取れる。何でも攻撃の材料にしようとする執拗さ。やはり尋常ではない。(彦)

[朝鮮新報 2006.4.11]