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春・夏・秋・冬

 「うちの会社は北朝鮮に輸出などしていない」。米財務省から朝鮮による大量破壊兵器拡散に関与したと名指しされ、「制裁」まで受けたスイスの企業の会長がこう真っ向から反論している。この会長はスイス企業「コハスAG」のジャコブ・スタイカー氏。3月31日に発表した声明を通じて、「対朝鮮技術ブローカー」の役割を果たしてきたとする米政府の主張が「事実とはまったく違う」と明らかにした

▼声明によると、この会社では書籍や陶磁器用の金属組立て旋盤を生産しており、必要な原料を中国や朝鮮から輸入しているだけだという。スタイカー会長は同社の筆頭株主だが、「2人の民間の朝鮮人」にも持分があると述べている

▼不思議なのは、ロイター通信との電話インタビューで同会長が「コハスAGは米国内に資産を持っていない」ことを明らかにした点だ。資産がないのに、なぜ米財務省は同企業と同社社長の対米資産を凍結できるのか。米企業との取引を禁止するという「制裁」措置がとれるのか。どちらかが嘘をついているとしか思えないのだが

▼スイス連邦経済省で財政、統制業務の責任者として働くオトゥマル・ビースさんは、米政府から凍結措置に関する事前通報はもらったが、(コハスAGが)輸出規定に違反したという明白な証拠がない状況では調査する計画はないことを明らかにしている

▼「偽ドル」問題とからんで昨年、米商務省がアイルランド人を逮捕した際にも朝鮮側は「米国が作り上げた」と反論していた。どうも米国の方を疑ってかかる必要がありそうだ。(聖)

[朝鮮新報 2006.4.4]