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春・夏・秋・冬

 小泉政権は対朝鮮外交で「対話と圧力」を公言してきた。まるで西部劇に出てくるカウボーイのようなもので、腰に銃をぶらさげて話し合いをし、それがダメなら銃を抜くという。何の外交かと思う

▼「圧力」の先頭に立つ安倍官房長官は、いろんな場でいろんな発言をしている。だからどういう言葉が口を突いて出てきても驚かない。ただ、「圧力」を収拾する局面に至った時、この人物はどういう動きをするのやら、ピタリとあてはまる情景が浮かんでこない。だから、案山子で終わるのかもしれない

▼安倍長官が「圧力」路線を強化する中で頼りにしているのは、いわずと知れた米ブッシュ政権である。そのブッシュ政権も、安倍長官と似たり寄ったり、1年後の状況すら読めない大統領の迷走によってふらふらとしている

▼イラクの大量破壊兵器開発を念頭に置いた先制攻撃戦略を、今度はイランの核(濃縮ウラン)開発がフセイン時代のイラク同様に脅威だとして今後4年間の堅持を表明、決定した。イラクを、気に食わない国名に変えれば済むと思っている。むろん朝鮮もその一つ

▼その先制攻撃戦略について安倍長官は「イランの核は平和目的を主張している。北朝鮮の脅威は比重が重い」と語った。ブッシュ政権の考えとは背反するものだ。一方で、6者会談での問題解決の立場に変わりはないという。何を言っているのか、しようとしているのか理解ができない。本人もわかっていないのだろう。そんな程度だと周辺の人たちは指摘するが、それで「圧力」の標的にされてはたまらない。(彦)

[朝鮮新報 2006.3.25]