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「テロとの対決」を叫んで、米国を旗頭とする「有志連合」がイラクに侵攻してから20日で3年が過ぎた。フセイン政権を破壊し、彼らのいう「民主主義国家」樹立を目指したわけだが、実情は第二の「ベトナム化」の様相を呈している ▼ブッシュ大統領は18日のラジオ演説で「フセイン放逐は正しい決断だった。イラク人は今や自由の下で生活している」と豪語し、今後の見通しについて「われわれの戦略はゆっくりだが、確実に結果を出している」と自画自賛した。しかし、イラク人の見方は違う。米国の、いわば手先となって米国式「民主主義国家」建設に加担した暫定政府のアラウィ前首相でさえ、英BBC放送との会見で「イラクは内戦下にある」と語り、安定とは程遠い状況にあることを明らかにした ▼ブッシュ政権などのイラク侵攻の背景に、その豊富な石油資源と多国籍軍事産業の存在があったことは多くの専門家たちが指摘するところだ。「独裁政権放逐」「民主主義国家」樹立という文句は、侵攻を正当化するためのお題目であったわけだ ▼その結果、ブッシュ政権の支持率は下がり続け、侵攻以前よりも「テロの可能性が高まった」と思っている人も米国で55%、米国の忠実な同盟軍、英国では77%に上っているという ▼それでもブッシュ政権は侵攻の誤りを認めようとはしないだろう。秋の中間選挙、そして08年の大統領選挙がすでに視野に入っており、ここにきての軌道修正は決定的な打撃になるからだ。先制攻撃戦略堅持を再確認、強い米国の演出に躍起になっている理由だ。(彦) [朝鮮新報 2006.3.20] |