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米国防総省ミサイル防衛局は8日、日本政府と共同開発してきた海上配備型迎撃ミサイル(SM3)実験をハワイ沖で実施し成功したと発表した ▼このミサイル開発、契機としたのは、1998年に朝鮮が発射に成功した人工衛星打ち上げだった。朝鮮政府の公式発表、ロシア政府などの事実確認にもかかわらず「弾道ミサイル」発射実験だと一方的に決め付け、それに対処するためにと共同研究を進めてきた ▼軍事分野でよく使われる用語に「防衛」「防御」というものがある。今回、朝鮮の「弾道ミサイル」が「米日の平和と安全にとって脅威」なので、その「脅威」を取り除くため、両国の「防衛」「防御」のために「迎撃ミサイル」開発に着手したというのが両政府の主張 ▼しかし、新型ミサイルの開発、迎撃と説明しようが何と説明しようが、朝鮮政府から見れば明らかな脅威としか映らない。その背景を見れば、ブッシュ政権は朝鮮を「悪の枢軸」に数え、「暴政の前哨基地」と位置づけ、南朝鮮駐留米軍の柔軟な活用という新戦略を樹立、さらには朝鮮を軍事力で瓦解させようとの明白な計画(「5027」)を持っている。米日のいう口先だけの「脅威」の比ではない ▼一方、朝鮮が東海上で行ったと報道されている短距離ミサイル発射実験について、ブッシュ政権は即座に反応し「地域と国際社会への脅威だ」と主張している。自らの実験は棚上げにしての騒動、自家撞着もはなはだしい。米国の現実的な軍事的脅威に対処した、国の自主権を守るための実験に他国が口を挟む余地はまったくない。(彦) [朝鮮新報 2006.3.11] |