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「南には言論の自由がないのか」。1年9カ月ぶりに開かれた将官級軍事会談で、北側の代表団からこう不満の声が上がったという。南の記者団に対して単独記者会見を試みたのだが、南側の強力な反対にあって実現しなかったからだ。北側がブリーフィングを行おうとしたところ、南側関係者は記者団の退場を要求。記者団は一時、会談場となった板門店「統一閣」前で待機するはめになった ▼北側が単独会見を試みたのは、初日の会談で明らかにした主張が十分に伝わらなかったためだという。実際、朝鮮中央通信はこの類の会談には珍しく、北側の主張を詳細に報道した。よほど腹に据えかねたのかもしれない ▼逆に、南側首席代表の韓民九少将のブリーフィングは、あまりにもあっさりしていた。質疑応答も短時間であることをうかがわせた。会談の内容をあまり知られたくないように思えた。確かに、北南関係はいまだに複雑で、ましてや軍事分野ともなると、なかなか表に出しにくい話もあろう。しかし、北側が自分たちの主張を述べたいといっているかぎり、そうした場を提供するのは自然ではないか。もちろん、それは逆の場合にもいえることだ ▼2月初めの朝・日会談で、朝鮮側の宋日昊団長は、日本人記者団の質問にも丁寧に答え、最後は大使館で記者会見までセットした。実際、宋団長のおかげで記事が書けたという声すらある ▼こうした例を見るまでもなく、北は最近、マスコミに登場して自己の立場を説明することが増えている。それをきちんと伝えないことの方が問題だ。(聖) [朝鮮新報 2006.3.9] |