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春・夏・秋・冬

 2003年以降、失敗続きだった情報収集衛星を積んだ日本の国産大型ロケット「H2A」などの打ち上げが今年に入って3回連続で成功した。「H2A」8、9号機(それぞれ1月24日、2月18日)、赤外線天文衛星「アストロF」を搭載したミュー5ロケット8号機(2月21日)がそれである

▼前者は気象、後者は宇宙観測に用いられるという。日本政府はもとよりマスコミも「商業化による受注増への対応能力を内外に示した」(朝日新聞2月18日付)などと、手放しの喜びようだった

▼が、「ちょっと待て」と言いたい。商業衛星の打ち上げとはいうものの「H2A」は核弾頭を付ければ核ミサイルに早代わりする。商業ロケットだとか何だとか日本政府がどう言おうと、他国から見ればミサイル開発の一環としか見れない

▼事実、日本政府は98年12月の閣議で「外交、防衛等の安全保障…に必要な情報の収集」のために衛星を打ち上げることを決定している。軍事用であることは明白だ。その口実にしたのが98年8月31日の朝鮮の人工衛星打ち上げ成功だった。当時、日本政府は弾道ミサイル発射実験だと強弁して制裁にまで踏み込み、対決姿勢を露にした

▼朝鮮政府は当時、それが平和利用もできれば軍事転用可能なことも否定しなかった。ロケットがその両側面を持ち合わせていることは常識でもある。要は、周辺諸国にいらぬ疑い、警戒心を持たせないようにすることだ。過去の清算を棚上げにし侵略の歴史を正当化。さらには自衛隊と米軍の一体化を急ぐ現在の日本の姿からはほど遠いが。(彦)

[朝鮮新報 2006.3.2]