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春・夏・秋・冬

 先日の朝・日政府間会談で朝鮮側団長は、朝鮮半島を侵略、不法に植民地支配した日本の過去は償っても償わなくてもよいという性格のものではない、ということをあらためて強調し、一日も早い清算を促した。道義の問題である

▼朝鮮植民地支配の日本の罪悪は、「創氏改名」に象徴される世界歴史にも稀な「民族抹殺」政策にあることは指摘するまでもない。その一方で、支配の実行部隊だった軍は独自の資金作りのために今日にまでつながる雑多な悪行の限りを尽くした。麻薬栽培、製造、紙幣偽造などである

▼麻薬は当初、イランから仕入れて加工していたが、輸送ルートの危うさから朝鮮半島北部での大量栽培に切り替え、中国で売りさばいた。紙幣偽造は中国国内の日本租界で製造していたが、戦況の激しさに伴ってこれまた朝鮮半島北部に拠点を移したという。今、ブッシュ政権が騒ぐ麻薬、偽ドル製造うんぬんの根っ子の部分である。これらの不法活動は、民間を装った軍の特務機関によって実行された。田中政権時代、ロッキード事件で暗躍した児玉(誉士夫)機関が有名だ

▼日本敗戦後、各機関は稼いだ資金(金、プラチナなどで秘匿)、ノウハウと共に米国に接収された。細菌兵器の731部隊、登戸研究所などと同様だ。そして反共政策の下、対ソ連、中国、朝鮮工作に従事した。具体的な事例としては登戸研究所が朝鮮戦争時に朝鮮人民軍の軍服、階級章、ウォン偽造を行ったことが知られている

▼これら全容はいまだに明らかになっていない。が、これまた日本の過去の一部分である。(彦)

[朝鮮新報 2006.2.25]