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春・夏・秋・冬

 4日からの朝・日政府間会談開始前日、知り合いの記者から電話がかかってきた。「NHKの報道見ましたか、あれはひどい」と一言。怒り心頭とばかりにまくしたててきた

▼何の話かといえば、拉致問題と関連し昨年末から急にその存在が報じられ始めた「辛光洙」について、1985年に取り調べた南朝鮮国家安全企画部(現在の国家情報院)担当者に対するインタビュー内容である。その担当者は巷間、流布されている拉致事件の実行犯だったなどと得意げに談じていた

▼85年といえば、南朝鮮社会は全斗煥軍事独裁政権の時代である。前出の記者、「安全企画部は軍事独裁政権を支えるために金大中氏すらも北と共謀、体制転覆を図ったと事実をねつ造し死刑にしようとした。そんな、それも全政権という事実上のクーデターによって政権を奪っためちゃくちゃな時代の話を、初歩的な作業であるきちんとした裏を取ることもなく一方的に公共放送で垂れ流すとは、言語道断」と怒りは収まらない

▼安全企画部やその前身、中央情報部時代の「過去史」を洗いなおす南朝鮮の「真実究明発展委員会」は、北と結びつけて民主化運動を弾圧、多くの市民、学生、労働者たちを処刑した「人民革命党」事件などについて、でっち上げだったと結論づけた

▼安全企画部は、できないのは男(女)を女(男)に変えることぐらいだといわれるほど拷問などによって蛮行、悪行を重ねた。そんな人間たちの証言を検証もなく取り上げる思考そのものが異常だが、果たして背景には何があるのか。朝・日政府間会談潰しなのか。(彦)

[朝鮮新報 2006.2.4]