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春・夏・秋・冬

 ここ1週間ほどの間、国務省副長官をはじめ財務省調査団、農務省など米政府関係者の日本、南朝鮮、中国訪問が相次いだ。日本では、輸入禁止部位が混入した自国産牛肉問題についての釈明、再度の輸入禁止措置早期解除要請などが主要なテーマだったと報じられた。しかし本当の狙いが、昨年秋以降から騒ぎ始めている「偽ドル紙幣」問題と関連して、朝鮮追及の共同歩調を確認することにあったことは想像にかたくない

▼この「偽ドル紙幣」問題、ブッシュ政権は世界に君臨する「米国の権威」に関わる問題だとして鼻息は荒い。すでに金融制裁を取っていることは周知の通りだ。昨年12月にはワシントンに日本、南朝鮮、ヨーロッパ各国の外交、財務担当者を呼んで「犯人は朝鮮だ」と説明会まで開催した

▼その説明会の場でちょっとした事件が起きた。南朝鮮大使館関係者が米政府に「話は承知した。ところで北を犯人だと断定している証拠を開示、提示してほしい」と求めたのだ。米政府は無視を決め込んだ。その後も南朝鮮は証拠の開示、提供を要求したが、米政府の対応は変わらないという

▼これまで、アイルランド労働者党との関連や、マネーロンダリングへのロシア・マフィア介在説などいろんな情報が伝えられ活字にもなったが、裏付け証拠は提示されていない。証拠の提示なき犯人の断定である

▼考えてみれば、2002年10月以降、ブッシュ大統領特使の訪朝を契機に流布、拡散された濃縮ウランによる核開発説とまったく同じケースだ。米国は証拠を示すべきだ。(彦)

[朝鮮新報 2006.1.26]