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10日から18日まで行われた金正日総書記の中国非公式訪問を巡って、日本では相変わらずのさまざまな観測記事があふれた。そのすべてと言って良いほど、的外れだった。筆者もいくつかの質問を受けた。集約すると「偽ドル問題について、中国の指導部から釈明を求められたのでは」というのが大半を占めた ▼非公式訪問を報じた朝鮮中央通信は、訪問が胡錦涛総書記の招請によるものだったと明らかにした。また武漢や広州、珠海、深圳など総書記が訪れた中部と南部地域には中国共産党中央委員会と国務院の委任を受けた幹部たちが同行した。訪問先や日程については、胡総書記が具体的に参観できるよう直接、関与し組織した ▼首脳会談では@両党、両国のよりいっそうの関係発展と、A共通の関心事である重大な国際、地域問題が意見交換され、「見解の一致」を見ている。@について胡総書記は、「中国の党と政府の確固たる戦略的方針」であると指摘。Aについて双方は、6者会談のプロセスを引き続き共同で推進していくことを確認し、金正日総書記は「6者会談の難関を克服し、会談を引き続き発展させる方途を見出すために中国の同志と共に努力する」と表明した ▼総書記の中国訪問と同時期、北京で朝、中、米の6者会談団長接触が、また昨年12月末には朝・中の団長接触もあったという ▼昨年10月、最高指導者となって初めての胡総書記の訪朝を契機に両党、両国の意思疎通が日常的に図られていることがわかる。そのことが理解できないかぎり現在の朝中関係は読めない。(彦) [朝鮮新報 2006.1.21] |