好きな鳥はクロツラヘラサギ |
日本野鳥の会 山田泰広さん 11月26日、朝鮮大学校で行われたアジアの渡り鳥保護国際シンポジウムでクロツラヘラサギ分科の報告をした山田泰広さん(34)。「今はクロツラヘラサギが一番好きな鳥ですね」と目を輝かせる。 現在は日本野鳥の会の自然保護室で主にツルの分散の調査に携わっているが、「6年くらい前に朝鮮大学校の鄭鐘烈先生と出会ってからクロツラヘラサギに関心を持つようになった」。 鄭鐘烈さん(朝大、教育学部長)は鳥類保護研究、とくに絶滅危惧種で東アジア固有種の鳥であるクロツラヘラサギ保護研究の権威者。「クロツラヘラサギに対する愛情、同じ目線で対等に接してくれるところに人柄のよさを感じて鳥も先生も好きになった」。 「クロツラヘラサギは、ヘラのようなくちばしを水に入れて頭を左右に振ってエサを食べる。そんなユニークな生態に魅力を感じる」。日本ではまだまだ不明な点が多く、研究活動は皆無に等しいという。「わからない部分が多いから研究にやりがいを感じる」。 兵庫県生まれ。近畿大学卒業後、英国のレディング大学院で1年間、野生生物保護管理学を専攻した。大学院時代に北海道で「野猫」の研究の過程で出会った人のつてで、99年に日本野鳥の会に入った。 幼いころからの動物好きが今の活動の基盤だ。そして留学時代に得た国際感覚を今に生かす。「アジアの国々が自分たちの『目』や『立場』を取り払って共同研究を活発にしていくことが大切。互いの情報を共有して研究活動を進めていきたい」。 [朝鮮新報 2006.12.5] |