アーティスト　嚴珠壽、�｢淳玉さん

　１０月２０〜２５日、銀座のギャラリーで平面、立体による作品展「JIGA SCAN−アートによる『自我』の解剖−」を催した嚴珠壽さん（24、写真左）と�｢淳玉さん（23）。朝鮮大学校研究院美術科特設班を卒業し、現在それぞれ実家のある岩手と愛知で制作活動をしている。

　今年５月、在日のアーティストたちとともに行った神戸でのグループ展でおもしろさを覚え、今回の作品展を企画した。

　「違う個性をもつ２人が共有するもの」−話し合いのすえに出た結論は「自我」だった。絵画やオブジェなどの作品は「自己の内部にある感情からわきあがったもの」だという。

　�｢さんは作品のテーマに夜明けや植物を用いた。「夜が明けたり、植物が成長したり、何かが進化していくのに惹かれる。自分自身がそうなりたいのかも」と語る。

　一方、嚴さんは「今の自分には絵よりももっと違った方法で表現できるものがあるのではないか」と糸やアクル板などを使い立体作品を制作した。

　２人は自分の軸は何なのか、何を伝えたいのか、何を求めているのかなどといったことを作品制作を通じて、常に自問自答してきた。作品は自身を反映する「鏡」だという。

　それぞれこれからも制作のかたわら作品展を開いていきたいと意気込む。

　「今この瞬間にもどんどん創作意欲が湧いてくる。観る人に何かを感じてほしい。作品を自分で隠し持っていても意味がないから」（嚴さん）と笑った。

［朝鮮新報 2006.11.7］