top_rogo.gif (16396 bytes)

「普段着の関係を築こう」

「神奈川 朝鮮学園を支援する会」事務局長 中野和巳さん

 27年前、教員として赴任した神奈川の高校に、朝鮮籍の在日生徒がいた。教職員の中には、「本名宣言」までのサポートなど、在日生徒を理解する勉強会があった。先輩に「勉強会、お前もやるか?」と誘われ、二つ返事で応え朝鮮語の勉強を始めた。

 また、同時に、焼肉屋を食べ歩き、「ピバダ」などの映画を観たり、朝鮮文化にどっぷりつかった。当時、在日同胞による東京での民族権利を守る集いにも頻繁に通った。

 日本の朝鮮侵略、植民地支配など日朝近代史を学ぶ過程で自然に在日の諸問題にもぶつかった。一人の人間として向き合うべき問題であると悟り、問題意識を高めたという。

 神奈川県高教組での活動歴は長く、6年前からは役員も務めた(前執行副委員長)。

 ウリハッキョ教員らと「フェイストゥフェイス」の揺るぎない信頼関係を築いている。「彼らがいろいろな困難に直面していれば、どうにか手をさしのべたい。それが基本」だという信念がある。

 6年前、インドでハンセン病患者と会い触れ合った。そこでの実体験は「会って付き合うことで身近になる」という教訓を生み、今では、朝鮮学校との普段着での付き合い方の原点となっている。

 「(自身の)性格は楽天的。新しいものに挑戦していきたい」と語る長崎県出身の52歳。4月22日に結成された「神奈川 朝鮮学園を支援する会」で事務局長としての重責を担っていく。

 「身近で息づかいの聞こえる組織に育てたい」

[朝鮮新報 2006.5.10]