舞踊人生の一つの集大成を |
舞・朝鮮舞踊研究所代表 任秀香さん 「これまでの舞踊人生の一つの集大成」−28、29日に大阪国際交流センターで行われる舞・朝鮮舞踊研究所設立10周年記念公演で短編舞踊劇「ねがい」の構成、演出を手掛ける。1948年の済州島4.3事件に巻き込まれ、家族が離れ離れになり日本に渡ってきたオモニの運命を描いた。 きっかけは昨年の春、ドキュメンタリー映画の「海女のリャンさん」を見てからだ。祖国の分断による家族離散…。「1世たちの生涯は私たちの想像を絶するものだったと思う。それらを民族舞踊劇で描き伝えたい」−強い情熱が自らを突き動かした。 舞踊の1作品は約7分、舞踊劇は30〜40分にもなる。朝鮮では60年代に舞踊劇の芸術団があったというが、近年は朝鮮でも「手をつけない」くらい舞踊劇は労力がかかるという。朝鮮に話を持って行った際は、「何も知らないからできるんだろうと冗談半分で笑われた」が、やると決意した。 作る過程は「何もかもが大変」。舞台美術、衣装、場面の切り替わりなど考えることはたくさんあった。昨年の4月から台本作成のため、朝鮮に3回通った。苦労の分、「いい作品に仕上がった」とほほ笑む。 初、中、高、大阪歌舞団時代は朝鮮舞踊に明け暮れた。「舞踊を通じて同胞社会に貢献したい」との姿勢は今も昔も変わらない。「(作品を通じて)若い人たちには、過去があって今があることをしっかり知ってもらいたい」。 [朝鮮新報 2006.1.24] |