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〈論調〉 アブグレイブ刑務所閉鎖は見せかけ

 イラクの首都バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所閉鎖決定は世論に「順応」するかのように見せかけるものだ。

 米国が人権じゅうりん行為を止めるには、拷問を奨励する法律からなくさなければならない。

 また、アブグレイブ刑務所だけでなく、アフガニスタンのバグラム監獄、グアンタナモ米軍基地収容所と世界各地にある秘密監獄をすべてなくさなければならない。

 しかし、米国はそうする代わりに、急場しのぎの術策を弄している。

 イラク駐屯米軍の発表によると、イラクの前大統領サダム・フセインらが拘束されているバグダッド国際空港付近で新しい施設の工事が進められているが、それが完工すればアブグレイブ刑務所の収監者をそこへ移すという。結局、米国はアブグレイブ刑務所を閉鎖する代わりに、そのような類型の収容所を新たに設置するつもりだ。

 さらに、米国が欧州各国の空港を経由して秘密監獄を運営している事実を考慮すれば、バグダッド国際空港付近に新たな刑務所のようなものを設ける目的は十分見当がつく。

 米国は、問題の刑務所を閉鎖することによって国際社会の反米気運を静めようとしているが、そうした下手な手品は通じない。(労働新聞23日付論評)

[朝鮮新報 2006.3.31]