〈今月の金正日総書記−10月−〉 転換点か? 唐代表との会談 |
軍の末端指揮単位を激励 10月、金正日総書記が実際に登場した回数は3回だった。1カ月で3回は多いとは言えないが、核実験宣言(3日)直後に朝鮮人民軍大隊長・大隊政治指導員大会関係者と記念写真を撮るなど、内容は濃いものだった。 平和と安全保障討議
10月の動きで何と言っても注目されたのは、胡錦涛中国国家主席の特別代表である唐家璇国務委員と会見したことだ(19日)。 10月3日、朝鮮は外務省声明を通じて核実験の実施を宣言した。昨年2月に核保有宣言をしていたことから、ある程度は予測できたことだ。この宣言後、▼本当に実験に踏み切るのか▼やるとしたらいつなのか−という点に国際的な注目が集まった。 結局、核実験は9日に実施された。国連安全保障理事会は14日、「制裁」決議を採択。朝鮮半島情勢は一触即発の状況に陥った。 そうしたことから、ブッシュ米大統領らと面談した唐家璇国務委員の訪朝は内外の注目を集めた。ポイントは金正日総書記が唐特別代表一行らと会見するかどうかだった。はたして総書記は一行と会見した。 朝鮮中央通信は19日発で次のように報道した。 朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長である金正日同志は19日、訪朝中の中国共産党中央委員会総書記、中華人民共和国主席である胡錦涛同志の特別代表である中華人民共和国国務院国務委員の唐家璇氏と、その一行と会見した。 特別代表は席上、金正日同志に寄せられた中国共産党中央委員会総書記で中華人民共和国主席である胡錦涛同志の親書を伝達し、自身が準備してきた贈物をした。 金正日同志はこれに謝意を表し、特別代表と親善的な雰囲気のなかで談話を交わした。 席上では、両国間の親善関係を発展させ、朝鮮半島の平和と安全を保障する問題と相互の関心事となる一連の国際問題が討議された。 総書記と唐特別代表との会見に関してはいろいろな憶測記事が飛び交っているが、ここでは朝鮮中央通信の報道を伝えるにとどめたい。 会見には中国側から戴秉国・中国共産党中央委員会外事弁公室主任兼中国筆頭外務次官、武大偉・中国外務次官が同席。朝鮮側からは姜錫柱第1外務次官、金桂官、金永日の両外務次官が同席した。 戴筆頭外務次官は朝鮮との関係が良好とされる。武次官は6者会談の中国側首席代表だ。 この会談が、核実験後高まった緊張状態を転換させるポイントになったことはまちがいない。というのも、その後、北京で朝米中3カ国の6者会談首席代表が秘密裏に会談し、6者会談を再開することを決めたからだ。 会談は11月下旬から12月上旬にも予定されている。朝鮮が核保有国となったあとに初めて開かれる会談だけに、今後が注目される。 政治、軍事的に強化を 核実験宣言直後の5日、金正日総書記が朝鮮人民軍大隊長・大隊政治指導員大会の参加者と会い祝福したと報道された。 これには趙明禄・朝鮮人民軍総政治局長(国防委員会第1副委員長)など軍幹部が同行。同大会の重要さが強調された。 総書記は、朝鮮労働党の軍事路線を貫徹するたたかいを力強く繰り広げて大隊を精鋭化した一騎当千の銃弾、爆弾隊伍に整えたことを評価。大隊長、大隊政治指導員が人民軍の末端指揮単位だとして、基本戦闘単位である大隊を政治的、軍事的に強化すべきだと主張した。(文聖姫記者) 同行者と回数 趙明禄朝鮮人民軍総政治局長 1回、金永春朝鮮人民軍総参謀長 1回 金鎰武l民武力部長 1回、李明秀大将 1回、玄哲海大将 1回 朴在京大将 1回、金己男党書記 1回、李容哲党第1副部長 1回 張成沢党第1副部長 1回、李済剛党第1副部長 1回、李載佾党第1副部長 1回 姜錫柱第1外務次官 1回、金桂官外務次官 1回、金永日外務次官 1回 [朝鮮新報 2006.11.22] |