離散家族再会事業再開、6者会談などで意見交換 民主労働党代表団訪北 |
「平和への道筋ひらいた」と評価
文成賢代表を団長とする南朝鮮の民主労働党代表団が、10月31日から今月4日まで訪北した。 10月9日の核実験以降、南の政治家が北を訪れるのは今回が初めて。米、日の制裁圧力により朝鮮半島情勢の緊張が高まる一方、31日には6者会談の再開が合意されるなど、対話の機運が生まれつつあるなかでの訪問とあって大きな注目を集めた。 最高人民会議常任委員会の金永南委員長が3日、民主労働党代表団と万寿台議事堂で会見した。朝鮮社会民主党の文炳禄副委員長と関係者が同席した。 また滞在期間中、朝鮮社会民主党代表団と民主労働党代表団の間で、6.15共同宣言の実践へ向けた両党間の連帯と協力を強化する問題などについての意見交換が行われた。 訪問を終えた4日、民主労働党代表団は仁川国際空港で行われた記者会見で声明を発表。今回の訪問を、「南と北の平和メッセージを交換し、中断された対話をつなぐ平和のかけ橋の役割を果たしたもの」だったと評価した。 連合ニュースなどによると、金永南委員長は代表団との会談の席上、「離散家族再会事業の再開問題を話し合う赤十字会談が必要だ」とし、「早急に会談が開催されなければならない」と述べた。 民主労働党代表団は、金委員長が「民主労働党側が主張した離散家族再会事業の再開の必要性に同意し、赤十字会談の開催を望む北側の立場を韓完相・大韓赤十字社総裁に伝えてほしい」と述べたことを明らかにしたうえで、「これは今回の訪問の重要な成果」だと強調した。 また、6者会談の再開と関連して金委員長が、「状況の積極的打開のため、6者会談の場で金融制裁問題を優先的に扱うことに合意し、これを前提に会談に復帰した」と述べたことに言及、「会談に対する北側の積極的な姿勢を感じた」と話した。 文成賢代表は記者会見の席上、「北の核が決して南を狙ったものではなく、米国の制裁と圧力がなくなれば明日にでも廃棄する用意がある」という金委員長の発言を紹介、「6者会談などの対話を通じて問題解決を図ろうとする北側の意志」を確認することができたと強調した。 一方で金委員長が「金融制裁に対する米国の態度が会談の成否に決定的に作用する」という見解を明らかにしたと述べた。 民主労働党側は今回の訪問の成果を強調しながらも、何ら有効な情況打開策を示せないばかりか対決を煽るような言動をする南当局と野党ハンナラ党を問題視、「われわれではなく当局が訪北していたなら、その成果と意義は何十倍にもなっていただろう」と指摘し、北南関係改善と核問題解決へ向けた南当局のいっそうの努力を促した。 代表団は、文成賢代表以下、権永吉議員、魯会燦議員など党指導部のメンバー5人と実務陣など13人で構成された。 4泊5日の滞在期間中、代表団は万景台や国際親善展覧館(妙香山)、万景台学生少年宮殿などを参観した。 全羅南道民、支援団体なども訪北 民主労働党代表団の訪問を前後して、民間団体の訪北も相次いだ。 「全羅南道民南北交流協議会」代表団(30人)が4日から7日まで訪北した。 同協議会は、6.15共同宣言の履行と南北関係改善のための対北交流協力事業を展開するという趣旨のもと、全羅南道地域の自治団体と市、郡、議会、企業、民間団体などが集まって2003年4月に結成された民間団体。今回、05年4月から推進してきた事業である「平壌野菜温室」の竣工式に参加するため平壌を訪れた。 これに先だち1日から4日まで、民間団体「イウッサラン(隣人を愛する)会」代表団が訪北した。 また、「わが民族一つになる運動本部」代表団も7日から11日まで北を訪れた。 [朝鮮新報 2006.11.10] |