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〈月間平壌レポート〉 創建58周年を彩る華

女子サッカー優勝に沸く

 【平壌発=李松鶴記者】最近、異常気象が続いている。例年は9月になると涼しくなり、過ごしやすくなるのだが、今年は30度前後の日が続き、観測以来の最高気温を連日更新している。9月9日は建国58周年。それとともに、平壌は第3回世界青年女子サッカー選手権大会優勝の快挙に沸いた。13〜22日には第10回平壌国際映画祭も行われ、市内の雰囲気をいっそう華やかに彩った。一方、9月末からは各地で稲刈りが始まった。10月中旬を目途に終える予定だ。

50万人の市民が歓迎

第3回世界青年女子サッカー選手権大会で優勝し帰国した選手らを祝う平壌市民(9月7日) [朝鮮中央通信=朝鮮通信]

 初出場、初優勝という快挙を成し遂げた青年女子サッカーチームのニュースは、市民たちをおおいに喜ばせた。テレビでは、優勝が決まったその日に速報が流れた。翌日からは中国との決勝戦を連日放映した。

 さる8月に行われた女子サッカーアジア選手権でナショナルチームが審判の意図的な誤審により3連覇を果たせなかったこと、その相手が中国だったということもあり、青年チームが中国を5−0という圧倒的な大差で破ったことが、市民たちにとってはことのほかうれしかったようだ。市内のあちこちで「祖国の名を世界にとどろかせた立派な娘たち」というフレーズが聞かれた。

 選手たちが帰国した7日、空港から平壌市中心部にいたる沿道には選手たちの健闘を称えようと50万人の市民がつめかけた。25日には、選手と監督らに「労働英雄称号」「金日成青年栄誉賞」「人民体育人」の称号とメダルが授与された。

 女子チームの優勝に刺激されてか、男子のU−17チームも、シンガポールで行われたアジア選手権で準優勝し世界大会への出場権を獲得した。10月にはインドで男子U−19のアジア選手権が行われるが、「女子チームの優勝は選手たちにいい刺激を与えている。そろそろ男子も女子に負けないようないい成績を残さなければ」とチョ・ドンソプ責任監督も闘志満々。

 一方、第10回平壌国際映画祭には中国、ロシア、ドイツ、シリア、フランス、インド、インドネシア、ポルトガルなど各国の映画関係者らが参加し、朝鮮の映画関係者との交流を深めた。

 祭典期間、外国の映画が上映された平壌国際映画会館などの会場には、連日多くの市民がつめかけ、映画祭に対する関心の高さをうかがわせた。

国挙げての収穫続く

 朝鮮では反米、反日気運がさらに高まっている。

 8日に行われた朝鮮民主主義人民共和国創建58周年慶祝中央報告大会で報告した金永南最高人民会議常任委員会委員長は、朝鮮が歩んできた歴史を総括するとともに、米国があらゆる手段と方法で反朝鮮圧殺を目論んでいることに触れながら、「先軍」のもと強力な政治軍事的威力を高めてきた朝鮮を屈服させる力は世界のどこにもなく、米国と追従勢力のいかなる政治軍事的攻勢と経済封鎖、内部瓦解策動も通じないと強調した。

 労働新聞は9月25日、日本が朝鮮に対して「金融制裁」を発動したことで論評を掲載。日本の「金融制裁」は朝鮮にとっては実質的効果がないと強調したうえで、「日本のこうした行為を重視するのは、それが朝鮮の自主権と尊厳に関わるからだ」と指摘。「金融制裁」は朝・日平壌宣言の精神と要求を踏みにじる背信行為で、日本が対朝鮮「金融制裁」の発動を「対話」のための「触媒」と描写するのは全く理に合わないデマだと主張しながら、問題をさらに複雑にして朝・日対決を極端へと追い込む妄動だと非難した。

 このような緊迫した中で全国的に秋の収穫が始まった。国内の新聞などは、「国の食糧問題を解決するための今日の闘いは、敵との深刻な対決戦であり、社会主義を固守し輝かせるための事業」(民主朝鮮20日付社説)としながら、刈り入れと脱穀にすべての力量を「総動員、総集中」することを呼びかけている。

 7月中旬の集中豪雨のために、農業部門には大きな被害が出た。実際、農業省では昨年比3.7〜4.6%程度の収穫減と見ている。復旧作業が早かったことと、他の地域での収穫増が見込めることから減収を最小限に抑えることができたという。

 省、中央機関をはじめ各道や機関からは、稲刈りに備えて多くの人々が農村支援に向かった。当分の間は国を挙げての秋の収穫が続く。

[朝鮮新報 2006.9.29]