非同盟首脳会議 金永南委員長の演説 |
運動の理念、原則順守 国際関係で2重基準排撃を キューバの首都ハバナで開かれていた非同盟諸国の第14回首脳会議で16日、朝鮮最高人民会議常任委員会の金永南委員長が行った演説の要旨は次のとおり。 統一の新たな転機を 今、世界の平和愛好人民は非同盟運動の崇高な理念と反帝自主の旗印を固く守っているキューバで第14回首脳会議が開かれたことに大きな関心と期待を表明している。 非同盟運動は自己の誕生を宣言したときから45年間、自主的で平和的で正義にあふれた世界を建設するための、発展途上諸国のたたかいの旗印となり、世界の変革過程に大きく寄与してきた。 正義に満ちあふれ平和的な21世紀を渇望する人類の志向と念願は、依然として深刻な挑戦にあっている。 国と民族の自主的な選択と発展の道を妨げる超大国の強権行為と偏重主義によって、国際秩序が破壊され世界平和と安定が深刻な脅威にさらされており、非同盟諸国はその最大の被害者である。 今日、朝鮮民主主義人民共和国に反対する「唯一超大国」の増加する圧力と干渉はその代表的な例である。 米国は朝鮮に対する敵視政策を変わりなく追求しながら、わが国を「悪の枢軸」、核先制攻撃対象に指定し、あらゆる卑劣な策動を段階的に拡大している。 朝鮮半島に醸し出されている政治軍事情勢は、朝鮮人民が金正日総書記の先軍指導を高く掲げ自衛的抑止力を強化してきたことがいかに正当であったかをはっきり実証している。 朝鮮の自主政治、先軍政治は、朝鮮半島はもちろん、地域の平和と安定を確かに保証しており、朝鮮人民は当然のごとく矜持と自負心を持っている。 われわれは、外部勢力によって人工的に分断された国の統一も、わが民族の力で平和的に実現するために努力している。 2000年6月15日、「わが民族同士」を基本理念とする北南共同宣言が採択されたことで朝鮮人民は祖国統一偉業の実現において新たな局面を迎えた。 われわれはこれからも「わが民族同士」の旗印を高く掲げ自主統一、反戦平和、民族大団結の3大愛国運動を力強く繰り広げ、民族統一の基本障害物である米国の新戦争挑発策動を断固粉砕し、民族の和解と団結の雰囲気を向上させ祖国統一の新たな転機を必ずや開くであろう。 核問題の正しい解決 朝米間の核問題を正しく解決することは、全朝鮮半島を非核化し東北アジア地域で恒久的な平和と安定を実現するための焦眉の問題である。 われわれは、米国の核攻撃威嚇によって国家の安定と利益が大きな危険にさらされている緊迫した状況下で、自衛のための抑止力としてやむをえず核保有を選択した。 朝鮮民主主義人民共和国政府は、米国がわれわれを敵視せず朝米間に信頼が醸成され、米国の脅威をこれ以上感じなくなれば、一発の核兵器も必要なくなるだろうと何度も明らかにした。 朝鮮政府は核問題を対話と交渉を通じて平和的に解決しようとの真しな立場から、6者会談が実質的に実を結ぶよう最善を尽くし、昨年9月19日の6者会談共同声明発表に当然の寄与をした。 しかし、米国は6者会談共同声明における自らの公約を覆しわれわれに一方的な制裁を加えることで6者会談をこう着状態に陥れ、その展望を予測できない局面へと情勢を追い込んだ。 こうした全ての状況を無視し、われわれに無条件で会談復帰を要求するのはどうやっても正当化できないし、われわれは米国の制裁帽を被っては決して会談に出ないだろう。 朝米間の核問題は、米国がわれわれの自主権と選択を尊重し敵視政策を平和共存政策に変え、朝鮮半島とその周辺で全ての核兵器と核戦争の脅威を根本から清算した時にだけ最終的な解決がはかれる。 特定国の独断に反対 われわれは、本会議が現情勢に対応した非同盟運動の活動方向を打ち立てるうえで、次の諸問題に特別注目すべきだと見なす。 第1に、非同盟運動は自己が打ち出した崇高な理念と原則を変わりなく守っていかねばならない。 非同盟運動の根本理念は反帝自主であり、根本原則はいかなる同盟にも加担せず自主的に進むことだ。 地球上に支配と干渉、侵略と略奪を追求する帝国主義、支配主義勢力が存在するかぎり、非同盟運動は独自の政治勢力としての崇高な使命を遂行し続けなければならない。 非同盟運動は、情勢の変化を口実に運動の原則と政治的性格を去勢しようとするあらゆる試みを断固排撃し、自己の理念と正当性、存在の有効性、適切性を力強く誇示し続けなければならない。 第2に、非同盟運動は統一と団結の力であらゆる挑戦を打開しなければならない。 非同盟運動の統一と団結は、多極化の過程がさらに進んでいる今世紀の国際関係の中で、運動が自己の存在を維持し続けられるかどうかという死活的な問題なのである。 非同盟諸国が自己の力を信じて、団結と協調の精神に基づいた集団的な共同行動をとっていく時、不合理な今の国際関係において自己の責任と役割を果たしていける。 第3に、非同盟運動は国際関係において2重基準を徹底的に排撃し、平等と公正性の原則が徹底的に順守されるようにするために力を尽くすべきだ。 今日、国際関係における2重基準適用行為は不平等で不公正な国際関係を作る基本要因である。 2重基準適用行為は特に、世界平和と安定に直接関連している核軍縮、人権などの分野で最も現れている。 米国は自己の国際法的核軍縮公約は無視し、「拡散防止」面だけを追求しながら、他国の合法的な平和的核活動の権利まで奪おうとしている。 米国は人権問題を政治化し、選択性と2重基準適用に専念しながら、反米自主諸国に対する内政干渉の口実に使ってきた。 非同盟運動は特定の国の独断と専横に集団で反対しなければならず、公正な新国際秩序を樹立するためより実践的な措置を求めていかねばならない。 朝鮮民主主義人民共和国政府は今後も、人類の自主偉業実現と非同盟運動の強化発展のために、自己の責任と役割を果たしていくだろう。(朝鮮中央通信、訳編集部) [朝鮮新報 2006.9.22] |