〈月間平壌レポート〉 暑さの中でもにぎわう 国際武道大会、新作映画など |
【平壌発=李松鶴記者】8月の平壌は、いつになく暑い日が続いている。例年は15日を過ぎると最高気温が30度以下に下がるそうだが、今年は15日以降も最高気温が30度を下回る日がほとんどない。しかし、日本と比べると湿度が低いだけにかなり過ごしやすい。 繁盛するタンコギ食堂 8月の平壌をにぎわせたのは、23〜28日まで行われた第2回国際武道競技大会。約40の国と地域から来た500余人が参加した大会は、青春通りの競技場で行われ、連日多くの市民がテコンドーをはじめ、各競技を観覧し朝鮮をはじめ各国の選手たちにあたたかい声援を送った。テレビでも連日のように各競技が放送され、市民たちを楽しませた。
一方、8月に入ってから上映されている「ある女子学生の日記」「平壌ナルパラム」を見ようと市内の各映画館を訪れる人たちも多い。 これらの映画は、これまで旧態依然として惰性で作品を作ってきた朝鮮映画界に新たな旋風を巻き起こすものとして、大きな注目を集めている。 「ある女子学生の日記」は、家をかえりみることなく仕事に没頭する父を持つ女子学生の日記をもとにストーリーが進む作品で、科学者が国のためになすべきことは何かを問うている。一方の「平壌ナルパラム」は、「韓日併合条約」を前後する時期、テコンドーのもとであるテッキョンを朝鮮の武道家たちがいかに守りぬいたかを描いた作品。テレビでは主演俳優や制作スタッフの座談会なども斬新な形で放映され、さらに関心を高めている。 朝鮮では、この季節を初伏、中伏、末伏に分けている。いずれも「暑い日は横になって体をいたわらなければならない」という意味で「伏」が使われている。 この時期、平壌はもちろん、朝鮮の各地で一番繁盛するのがタンコギ(犬肉)のある食堂。タンコギで有名な平壌の食堂には、昼を前後して老若男女を問わず多くの市民が訪れる。 対米非難を強める 25日は、金正日総書記が先軍革命領導を始めてから46周年を迎えた日である。24日には報告大会が行われたほか、祝賀公演や夜会が行われた。 報告大会で報告した朝鮮人民軍総参謀長の金永春次帥は、米国が朝鮮半島とその周辺にハイテク兵器を配備し侵略戦争演習を行い、朝鮮に対する軍事的脅威の度数を高める一方、国連の場を利用して新たな戦争挑発の名分を立てようと画策していることに触れながら、「米国と、日本をはじめとする追従勢力による反共和国圧殺策動を注視し、先軍の革命的旗印を掲げて、いかなるものに拘束されることなく自衛的戦争抑止力の強化に最善を尽くすことで、世紀をついだ朝鮮革命の百戦百勝の歴史をさらに輝かすだろう」と強調した。 朝鮮人民軍板門店代表部スポークスマンも22日、「ウルチ・フォーカスレンズ」演習が始まったことで談話を発表し、米国の対朝鮮敵視政策により朝米間が交戦関係にある以上、相手に対する先制的な軍事行動は米国の独占物ではなく、自身の防衛のために必要だと判断した決定的なときには敵に対する自衛的な先制行動を取る権利は朝鮮人民軍にもあるとしながら、「米国の今回の戦争演習を、停戦協定の無効を宣言する戦争行為とみなし、人民軍側は今後国の安全と自主権を守るうえで必要な軍事的措置を主動的に取ることで停戦協定の拘束を受けないということを言明する」と強調した。 7月中旬の豪雨による被害を復旧する活動は、中央機関はもちろん、全国単位で幅広く行われており、新聞紙上でも連日、大きく紹介されている。 [朝鮮新報 2006.9.1] |