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6者会談望むが、金融制裁障害 朝鮮外務省代弁人が談話

 朝鮮中央通信によると、朝鮮外務省スポークスマンは26日、米国が朝鮮に対する金融制裁を拡大していることに関し、次のような談話を発表した。

 最近、米国は朝鮮に対する金融制裁の拡大にいっそう執着している。

 ブッシュが「ならず者国家」の資金源を遮断するという声明を発表したのに続き、米財務省はベトナムをはじめ東南アジア諸国に次官を派遣して朝鮮との一切の金融取引中止を呼びかける一方、東南アジア諸国とモンゴル、ロシアなど10余カ国の銀行に開設された朝鮮の口座に対する「追跡」騒動を起こしている。

 これは、朝鮮のイメージを甚だしくこき下ろして対外経済取引を遮断しようとするところに目的を置いたもので、本質上、対話の相手側の自主権と尊厳を著しく侵害する白昼強盗さながらの行為である。

 米国は現在、金融制裁が自分らの法施行措置であって、6者会談とは「無関係」であるとしながらも、朝鮮が6者会談に臨めば金融制裁解除問題を論議すると言うなど、矛盾したことを言っている。

 果ては、米国側の交渉者が議会で、金融制裁は「北朝鮮の核放棄のための圧力用」と公言し、米財務次官は「北朝鮮の資金である場合、不法と合法の間に境界線がほとんどない」ので、金融取引をしないよう呼びかけた。

 金融制裁解除は、単に凍結されたいくらかの資金を取り戻す実務的問題ではなく、6者会談はもちろん、9.19共同声明の履行と直結した政治問題として、米国の対朝鮮政策の変化を図る一つの尺度となる。

 2005年9月19日の6者会談共同声明で朝鮮は核計画の放棄を、米国は平和共存を公約した。

 しかし、われわれは米国に共存を哀願しない。

 われわれは、平等な原則に基づいて合意を履行しようという立場である。

 この合意が履行されれば、朝鮮の得るものがより多いので、6者会談をもっと行いたい。

 ただ、米国が朝鮮を会談に臨めないように金融制裁を加えていることが決定的な障害である。

 まさに、米国が共同声明が採択されるなり対話の相手側に対する金融制裁を発動したことにより、すべてかみ合っていた6者会談の日程を完全に破たんさせ、現在のこう着状態をもたらした。

 われわれは、制裁の帽子をかぶった状態では絶対に6者会談に臨めないという立場を再三にわたって明らかにした。われわれのこの原則的立場にはいささかもかわりない。

 朝鮮には、金融分野において紙幣偽造と資金洗浄のような不法行為を禁止する法的、制度的装置が完ぺきに整っている。

 われわれは、米国がけん伝しているような「違法国家」でもなければ、「紙幣偽造国」でもない。逆に、われわれは米国のせいで偽造紙幣製造とその流通の被害者になっているだけである。

 朝鮮はこの数十年間、米国の制裁のもとで生きてきたし、米国とは何の経済関係も持っていないので、米国がいくら金融覇権を振りかざしても、びくともしないようになっている。

 現在、米国内ですらブッシュ政権の対朝鮮金融制裁は大きな効果がなく、朝米対決だけを悪化させておびただしい災難を招きかねないので、金融制裁を解除し、6者会談を再開する方がより現実的であるという主張が強く出ているのは決して理由なきことではない。

 諸般の事実は、ブッシュ政権こそ6者会談を破たんさせ、地域の情勢を緊張させた張本人であり、朝鮮半島の非核化実現に遮断棒を下ろした真犯人であることを示している。

[朝鮮新報 2006.8.29]