平壌にある朝鮮民芸連合商社 外国対象に注文、販売 |
「世界が認める高品質の商品を」 【平壌発=李松鶴記者】朝鮮民芸連合商社は朝鮮画、油絵、彫刻、刺繍をはじめ、チマ・チョゴリや各種民芸品などの商品を取り扱っており、外国を対象に商品の注文、販売を行っている。注文数は年々増加。評価も高い。 各種絵画から小物まで
商社内には、対外美術創作団など複数のセクションがある。それぞれ絵画、彫刻、刺繍、チョゴリ制作などを分担している。中国、ロシア、モンゴル、シンガポール、日本などのほか、南朝鮮からの商品注文も多い。 絵画、彫刻などを担当する対外美術創作団のリ・グンテク団長(功勲芸術家、57)によると、団には24〜40歳の画家や陶芸家などの芸術家約250人が所属している。「半数は海外に出張中。通常は顧客から受けた注文品をここで制作するが、なかには画家を直接招請し制作を依頼する顧客もいる。もちろんこの場合は画家の滞在費用も顧客にまかなってもらう」と話す。 油絵と朝鮮画の注文が多いが、「写真を持ってくればそれをもとに彫刻や刺繍にすることもできる」。離任する際の記念として注文する大使館員が多いそうだ。油絵の価格は作家や号数によって若干異なるが、100号で500〜1000ドル、朝鮮画は200ドル、最も手のかかる刺繍はこれらよりやや上回るという。
同商社の創業は88年。今では諸外国での認知度も高いが、当初はパンフレットを作成して朝鮮を訪れた外国人に地道な宣伝活動を行った。また、国際文化会館の1階に展示室を設け観光客の日程にも展示室の参観を組み込み質の高さをアピールした。 その甲斐あって今では、商品の発注だけでなく、共同展示会などのオファーも多い。作家らが展示会に参加し、その場で商談がまとまるというケースも少なくない。 「常に質の高いものを求められるため、作家たちには春と秋に20日ずつ地方に出張し作品を制作することを義務づけている。また、月に1回は品評会なども催し、作家たちの技術向上にも常に力を注いでいる」(リ団長) 朝鮮民芸連合商社では、このほかにもチマ・チョゴリの制作に力を注いでいる。大学を卒業したての若いデザイナーたちが斬新なスタイルを編み出している。主に南や在日同胞からの注文が多く、制作スタッフは常にフル稼働状態。はしや椀、石細工の屏風や膳、籐細工の民芸品などの小物全般も扱っている。 人気博すベテラン集団 朝鮮民芸連合商社内でひときわ注目を集めているのが松花美術院だ。朝鮮画、油絵、彫刻などを専門に制作する。美術院のメンバーの平均年齢は70歳。 キム・サンジク院長(72)は、「美術院が結成されたのは96年。『国に迷惑ばかりはかけられない。自分たちの才能を生かして少しでも国に貢献しよう』と、年金生活を送っていた画家、作家らが集まった」と話す。 メンバーは、それぞれの作品を持ち寄って毎週木曜日に集まり、品評会を開く。世間話もしながら楽しくひと時を過ごしては家路に着く。ちょっと見には、高齢者のサークル活動のようにも思えるが、美術院のメンバーのなかには、若い頃に名を馳せた作家らも多い。年輪と共に刻まれた重みが加味された彼らの作品には、諸外国からの注文が殺到している。 後進の育成にも励んでおり、対外美術創作団のメンバーらを前に講義をしたり、品評会を催したりしている。 キム院長は、「私たちの作品が海外で好評を博し、国の財源に少しでも足しになればいいと思って、これからもがんばっていきたい」と語った。 朝鮮の民芸品の質の高さを世界に知らしめてきた朝鮮民芸連合商社。今後もその活動が期待される。 なお、商社では電話による注文も受け付けている。TEL 850・2・381・4410 朝鮮民芸連合商社まで。 [朝鮮新報 2006.8.26] |