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白楽晴 6.15共同委南側委常任代表に聞く 市民参加型の統一運動を

 【平壌発=李相英記者】6.15共同宣言発表6周年記念民族統一大祝典(14〜17日、光州)開催に携わった6.15民族共同委員会南側委員会の白楽晴常任代表に、今回のイベントに対する評価、今後の北南関係、統一運動の展望などについて聞いた。

 −今回の民族統一大祝典に対する評価は。

開幕式に先立ち16日に行われたスポーツイベントでは「われらはひとつ、祖国はひとつ」ののぼりが上がった。

 分断の傷と痛みを歴史的に象徴する光州で民族共同行事が行われたことにとても感激している。

 6.15の精神がさまざまな形で脅かされている厳しい情勢にもかかわらず、南北関係をさらに発展させ同胞の団結を強化するため南、北、海外が一堂に集まった。

 光州市民と全羅南道民は北と海外の代表団を温かく迎えた。共同宣言発表以後毎年行われている統一行事の脈絡で、今回も行事を成功させることができ満足している。

 準備過程でさまざまな困難があったのも事実だ。南にはいまだに民族統一大祝典を認めず、妨害しようとする勢力がある。われわれは行事に否定的な立場を取ったり、関心のない人も受け入れて広範で大衆的な行事にしようとした。一部は成功したが、意図通りいかなかった部分もある。

 「民主化の聖地」と呼ばれる光州で開催されたことは意義深い。北と海外でもこのような認識を共有していることが今回の行事を通してはっきりと表れた。

 −初めて北側代表団が国立5.18墓地を訪れた。

 南の民主化闘争史で重要な意味をもつ都市、光州を北側代表団が訪れ、5.18墓地を参拝したことに対する南の反応はいい。

 一方、北側の5.18墓地参拝の意味を過小評価しようとする勢力も一部にある。反対勢力は、光州という特殊な地域で特定の勢力が開く内部の祭りとして今回の行事を解釈しようとしている。これに影響を受けている人もいるが、全般的に見れば南北関係の進展を示す実例として肯定的に受け止められている。

 −北南関係と統一運動の展望について。

 最近朝鮮半島を取り巻く情勢が厳しいと言われるが、昨年の6.15行事以前に南北関係が約1年間にわたって断絶していたのに比べれば、はるかに発展している。

 南北関係が順風満帆に進んだことはかつてなかった。これからも風波にもまれながら、試練を乗り越えねばならない時もあるだろう。南北がわが民族同士、交流と協力をたゆまず行えば南北関係は引き続き発展すると確信している。

 昨年平壌とソウルで開催された民族統一大祝典は、同胞の統一への意志を内外に示し和解と団合の雰囲気を高め、新しい流れを築くのに寄与した。今回の行事が6.15共同宣言実践と南北関係発展における転換のきっかけとなることを願う。

 −これからどのような統一行事を企画するのか。

 民族統一行事が今後も行われていけば、昨年の平壌とソウル大祝典のような画期的な成果を期待するのは難しくなる。何よりも行事を継続していくことだ。8月には北で8.15記念民族共同行事が予定されている。今回私が民族統一大会で提案したうちのひとつは、共同行事の内容と形式に創意工夫を凝らしていこうということだ。大規模行事以外にも、部門別対面や統一歌謡祭、南北、海外マラソンなど、さまざまな行事を企画していこうと思う。市民参加、民衆参加型の統一運動を繰り広げていくことこそ、「5月光州」を継承することにつながる。

「わが民族同士の日」伝統化へ

 【解説】労働新聞22日付論説は、14〜17日に光州で行われた6.15共同宣言発表6周年記念民族統一大祝典開催の意義に言及した。

 まず、北南共同宣言が採択された6月15日を「わが民族同士の日」として盛大に記念することを伝統化する重要な契機になった点を指摘した。これは当局代表団が内外の各階層団体代表団メンバーとともに祝典に参加したことが前提になっている。

 6月15日を「わが民族同士の日」と定めることは昨年の統一大祝典で提案された。北は全面的に賛成し法的整備も進めているが、南では異論を唱える向きもある。労働新聞があえてこの事を強調したのは、「わが民族同士」の理念を重視している北側の姿勢をあらためて示したといえる。

 6.15共同宣言実践民族統一大会で演説した6.15共同委員会の安京浩・北側委員長は、「北と南、海外のどこにいようと、左であろうと右であろうと、進歩であろうと保守であろうと『わが民族同士』の理念に背を向ける人は真の愛国者であるとは言えない」と語った。

 つまり、「わが民族同士」の理念に賛同する者なら政見や信仰などを問わないということだ。

 そのうえで労働新聞は、「今回の祝典を通して当局と民間が3大愛国運動を力強く繰り広げたのは良いことだ」と主張した。3大愛国運動の内容は自主統一、反戦平和、民族大団合(団結)。6者会談がこう着し、朝米関係も一触即発の状態にある中、朝鮮半島の統一は反戦平和と直結している。

 それを「民族同士」の力で解決することを、双方の当局が参加した場で確認したということだ。(聖)

[朝鮮新報 2006.6.24]